なぎに朝のおはようと夜のおやすみをするのは私の役目。決め事にしているわけではないが、早く起きるのも遅く寝るのも私のことが多いので結果してそうなっている。
 朝はいつも私と妻をミャーミャーとかわいい声で呼んでいる。私が部屋に入ると水飲み場の珪藻土マットの上で「なぎの舞」を披露してくれる。その様子はただただかわいく、先に起きる私の役得だ。
 夜は夜で一人にされないように「なぎの舞」で気を引こうとする。これをされるとついつい付き合ってしまうのだが、意を決して部屋を出るとなぎは実に悲しそうな目で私を見つめてくる。
 そんな目で見つめられるともう負け。しばしなぎに付き合うことになり、さらに夜は更けていく。

✴︎一人にするならトイレから出ないよ。
69AE75B3-C454-4F9B-AF8A-ECF51C5A0EE8